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SUTDY FOR TWO同志社女子大学支部 支部長

 

菊池 あかね 

STUDY FOR TWOというすばらしい団体があるのを知っているだろうか?

以前から耳にしていたものの、どんな団体なのかはわからないという人もいるだろう。

そこで今回は、STUDY FOR TWO同志社女子大学支部で支部長を務める菊池あかねさんにお話を聞いた。

自ら支部を立ち上げ、その運営を行っているという彼女に、その経験を通して得たもの、そしてそこから感じた自分のこれからについて教えていただいた。

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―STUDY FOR TWO(以下SFT)はどのような活動をしているのでしょうか?

 

 「勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界に」という理念で活動しています。仕組みとしては、大学生からいらなくなった教科書を回収して、それを春学期と秋学期に安価で再販売し、それで得た利益をラオスの子どもたちに寄付するというものです。ラオスの子どもたちには寄付金をもとに教育支援を行うことができ、学生は安い値段で教科書を手に入れることが可能になるというシステムです。

 寄付金に関しては民際センターという公益財団法人を通して、そこが行っているダルニー奨学金にSFTの寄付金を送っています。SFTの活動は多くの子どもの教育を助けることに繋がっています。今年は春にSFT全体で248万円の支援をしました。

―すごい。とても大きな額ですね。

 

 はい。ラオスでは、授業料自体は無料なのですが、道具がなくて授業を受けられない子たちがたくさんいるんです。意欲はあるのに、そのための学習環境が整っていない。そんな子供たちを支援できることに魅力を感じてSFTに入る人も大勢います。

 また、SFTはビジネス色が強い事も特徴なので、営業や広報、組織の運営をしてみたいと思って入る人も多いんです。いろんな理由の人が同じ目標に進むことで一つになれることもSFTの魅力の一つだと思います。

 私自身はもともとボランティアに興味があったこともあり、3回生からSFTの活動に参加しています。

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―SFTは現在何人ほどの規模で活動しているのでしょうか?

 

 日本中だったら約600名ほどのメンバーがいます。4年前に早稲田大学で発足して、現在では全国の約60大学に支部があります。

 創設者の方がラオスに行った際、「現地では学年が上がるごとに授業を受けられる学生の数が減っていること、勉強したいのにできない子どもたちがいる一方で、自分たちは奨学金をもらって授業を受けることができている」という違和感を感じ、どうしてラオスではそれができないんだろうという想いからラオスをはじめとした世界中の勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できるようにしたいと考えたのが、立ち上げのきっかけです。

 またそれと同時に、「大学の教科書はどうしてこんなに高いのか、勉強するためにそこまでお金がかかるのか」と感じ、それならば日本の大学生にも安く教科書を提供しながら、ラオスの子どもたちにも教育の機会を与えることができる、そんなwin-winの団体ができないだろうかと考えて作られたのがSFTです。

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―すばらしい活動をしていますね。学生とラオスの子どもたちとの間にwin-winの関係が築けるだなんて考えてもいませんでした。

菊池さんにも何かSFTをやろうと考えるきっかけがあったんですか?

 

 もともとボランティアに興味があったこともあり、大学生が身近なところで途上国の支援をできる活動内容にとても興味を持ちました。始めは同女支部を立ち上げようだなんて考えていなくて、もしも同女に支部があったら寄付しようかな、くらいに思っていたんです。

 でも、調べてみたら同女にはまだ支部がなかったので、そこで初めて支部を立ち上げてみようかなと考え始めました。こんなにすばらしい組織なのだから、近くにあったら参加したいと考える学生もたくさんいると思ったんです。

 ただ、支部を立ち上げるということは自分にとってとても大きなことで、責任もあるし、不安が大きかったんです。人をまとめなくてはいけないし、自分にできるのかな、と。

 それでも、学生時代は自分が知らないことにチャレンジできる大切な時間だと思っていたので、知らない環境だけど飛び込んでみようと思いました。それが今年の2.3月のことです。それから実際にSFTの人たちに活動内容を詳しく説明していただき、その場で同女支部の立ち上げを決めました。

 

 

 立ち上げ当初は一人で活動していて、まずは活動内容を周囲に知らせてメンバーを集めるところから始めました。立ち上げたばかりの頃は、やる気のある人たちで構成されていないと組織が軌道に乗らないと思っていたので、本当に意欲のある人を集めることを意識していました。TwitterなどのSNSで実際にどんな活動をしているのかを知らせると、やはりSFTの活動に興味を持ってくれていた学生がいたようで、何人か参加希望の人が来てくれました。それからメンバーに役割を振り分けて、ようやく団体らしくなっていきました。現在では9人のメンバーで活動しています。

 これからの同女支部の目標は、「同女の中でずっと続いていけるように、同女生ならば誰もが知っている団体になること」です。いまは支部の基盤作りの時期で、なるべく良い形で代替わりしたいと考えています。

 こんなことを考えるようになったのも、あのとき同女支部を立ち上げようと踏み切ることができたからだと思っています。

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―そのSFTでの経験を通して、これからどんな仕事をしていきたいと考えていますか?

 

 ボランティアに興味はあったんですが、社会人になってからもやりたいかと聞かれるとそうではなかったんです。学生だからこそ失敗を恐れず様々なことにチャレンジすることができると思うし、その活動としてSFTをやらせてもらっているんです。その中で、途上国の子どもの支えになり、かつ組織の運営をするという貴重な経験をさせてもらっています。

 また、SFTでの活動は自分自身を理解するきっかけにもなったと思っています。「自分ってこういう人間なんだ」であったり「こんなことにやりがいを感じるんだ」ということに活動しながら気づいていき、その結果、自分がこれからしたいことの方向性が分かり始めました。

 例えば、SFTはメンバーにお金を与えているわけではないし、学生時代の貴重な時間を使って活動をしているんです。なので、SFTだけに集中してもらうことは難しいんですよね。そこで私は、メンバーのみんなに「何かを得てもらえる環境にしたい」と考えるようになったんです。仲間や、自身の成長のようなものを与えられる環境にできればな、って。そう考えながら組織作りをしています。

 それで私自身も、「あ、私って人に成長してもらったり、人に感謝されることが好きなのかな」と気づいたんです。自分が立ち上げた環境の中で、知らなかった人同士が仲良くなって、人としても成長してもらえる場所を作る経験をSFTで体験させてもらえたので、そう感じるようになりました。

 なので、なにがしたいか具体的には決めていませんが、誰かにきっかけを与えたり、成長に携われたりする喜びを感じれる仕事がしたいなぁと漠然と考えています。

 学生時代の大切な時間をSFTでの活動に使うことができて本当によかったと思います。普通に生活するだけじゃ絶対に経験できないようなことを、毎日のようにできて刺激をもらっています。みなさんにも、少しでもいいので、学生時代に何かチャレンジすることを奨めます。

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