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学生カメラマン

   松村 一輝

同志社大学 社会学部 2回生

 

雑誌を開くとそこにはたくさんの写真が載っている。それらの写真はいったいどんな人が撮っているんだろう。

そこで、今回は学生ながら撮った写真を有名誌に掲載している学生カメラマンの松村一輝さんにお会いした。

「カメラは自分を新しい世界に連れていってくれる」という松村さんに、カメラを始めたきっかけや自分のこれからについて聞いた。

―関西中を旅! どんな所へ行かれたのでしょうか?

 

高校でも段階があって、春ごろは和歌山とか京都の京丹後に行っていたんですけど、部活をやめてからは時間ができたので、高1の冬からはおじいちゃんからお金をもらったり、ネットのアフィリエイトをやってお金を貯めたりして東京とか福井、広島に行くようになって、高2からはひたすら旅行してました。お金を貯めてカンボジアに行ったこともありますし、大学に入ってからはタイとインドにも行きました。

 

 

―そんなにはまったカメラならば、将来カメラマンになりたいという思いはあるのでしょうか?

 

それがまったくないんです。

僕はもともと、依頼をもらって写真を撮るというよりも、自分の好きなように撮ることが多いんです。旅に出て風景を撮ったりするみたいに。カメラマンとして撮るとなると写真の表現の幅も制約されてしまって、いろいろと難しくなります。それもおもしろいかもしれないんですが、それは自分のやりたいことじゃないなと思い、高校3年生のときにカメラの専門学校に行くのをやめて、大学進学することに決めたんです。

―それでは大学に進学してみて、なにか将来やりたいことは見つかりましたか?

 

そうですね、大学入ってからはポートレートといって人の写真ばかり撮っているんですが、その理由についてお話します。

大学一回生の頃はそうでもなかったんですけど、入学してからは高校の延長線上で写真を撮っていて、そしたらだんだんとカメラがおもしろくなくなってきたんです。飽きてしまったというのもありますし、同じものを撮ったら似たものになってしまう。そしたら知り合いにも、「最近お前の写真おもしろくないぞ」と言われてしまいました。自分でもそう思っていたので「あ、その通りだな」と。

それで新しいものを求めるために、風景ばかりを撮るのではなく、人を撮り始めるようになったんです。今でも人ばかり撮っているんですが、それがすごく楽しくなってきたんです。何と言っても、いろいろな人にも出会える。

例えば立命館のミスキャンの人を撮影したときは、その方が将来アナウンサー志望だったんです。アナウンサーになるために、三回生の夏からスクールへ通っているという話を聞いて、「こんな世界もあるんだな。僕も頑張ろう」と刺激を受けました。

それからは「人と話すこと」。もっとこれを深めていこうと思うようになりました。

 

 

―それは人と話す仕事がしたいということなのでしょうか? それとも、もっと具体的にやりたいことが決まっているのでしょうか?

 

もうちょっと言っちゃうと、ほんまに旅行が好きなんで、できれば人と関わり合いながら旅をサポートできるような仕事に就きたいなと思っています。写真も好きなんですけど、旅も好きなので。インドとかさまざまな国に行ったんですけど、異文化に触れるのってすごくいいんです。宗教とか人間も違うし、考え方も全部違う。そういうことに触れることで、新しいことを触発されたりするんで、他の人にも楽しんでもらいたいということで旅に関わる仕事がしたいんです。

 

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―松村さんはどのような経緯でカメラを始めたのでしょうか?

 

実は僕はもともと鉄道オタクだったんです。よく京都駅などのホームで電車の写真を撮っている人たちがいますよね。僕もあんな感じで電車を撮っていたんです。

写真を撮り始めた頃はデジカメのようなしっかりしたカメラは持っていなかったので、PSPの付属カメラで写真を撮ってたんです。それが中学3年生の頃、親父がキャノンのちょっといいデジカメを買ったので、しばらくそれを借りることにしたんです。

次第にカメラ自体にも興味がわき始めて、電車以外にも空や風景を撮るようになったんですけど、これが意外におもしろかったんです。そうやって写真を撮っていたら、しばらくして今度はEOS 40Dという一眼レフカメラをおじいちゃんからもらうことができたんです。「一輝、これやるわ」と言って。

一眼レフをもらってからも同じく鉄道ばっかり撮っていたんですけど、そのうち駅のポスターとかみて、「この写真、僕にも撮れるんじゃないかな」と思うようになって、糺の森や下賀茂神社へ行って撮ってみたら思った以上にきれいに撮れたんです。「あ、これはおもしろいな」と思って、そこからどんどんはまっていきました。

 

 

中学生のときはまだ遊びで撮っていたんですが、高校に入ってからは関西中を旅しながら風景写真を撮って周ったりしていました。そのときから段々と雑誌で見るような写真も撮れるようになり始めて、「これはもしかしたら才能があるんじゃないのかな」なんて思い、そこから真剣にカメラを始めました。

―なるほど。それでは最後にカメラの魅力についてお聞かせください

 

一番思うのは、カメラっていうのは、自分を新しい世界へ連れていってくれるものだと思うんです。カメラがあったから、僕は世界中を旅することもできたし、今では様々な人と出会えるきっかけにも恵まれました。それが、カメラをしていて感じた魅力です。

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