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 京都水族館

   池光 愛美 

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ーどうして水族館で働くことに?

 

私はいろいろな動物とコミュニケーションをとる事が大好きで、その中でもイルカの動きに魅力を感じたので、イルカと触れ合うことのできる水族館を志望しました。 

現在は京都水族館の海獣チームに所属し、イルカとオットセイの健康管理や給餌、展示ゾーンの清掃など飼育業務全般を担当しています。また当館では、観客参加型のイルカパフォーマンス「イルカLIVEきいて音(ネ)」を毎日開催しており、そのプログラムにイルカと共に出演しています。 

 

みなさん一度は水族館に訪れたことがあるだろう。楽しい思い出があるはずである。

けれどそこで働くってどういうことだろう?

そこで、今回は京都水族館でトレーナーをされている池光さんにお話を聞いた。

 

ー水族館の生き物とのコミュニケーション 

 

動物に対して敬意を持ちながら接することが大切だと思います。上から目線ではなく同等な立場で接するように心掛けています。またコミュニケーションをとる上である程度のルールが必要です。具体的にはイルカがクルクル回るのは手をイルカに向かってクルクル回すという合図なのですが、イルカが手の動きを見て少しでも回ったらあたり!という行動を繰り返していき、クルクル回す合図を見せただけでイルカは回ってくれるようになります。動きはたくさんありますがその1つずつに決まった合図があり、それがイルカと私達の間での決め事になっています。また、イルカは人間と違い、表情が分かりづらいですが目つきや行動の少しの変化でそのときの気持ちを理解するようにしています。最初は私たちが外国人の見分けがつきにくいように、個体の識別でも苦労をしていましたが、長い時間イルカを観察しているとだんだん見分けがつくようになります。学生時代の研修の時にイルカショーをする機会をいただいたことがあったのですが、動物と近くで関わる機会が増え、給餌や体調管理の際や日ごろの様子を観察することにより、行動や目つきの違いなどからイルカの気持ちが少しずつ理解できるようになりました。  

ー専門学校時代にイルカショーをお客さんに見せる

 経験

 

学生時代にイルカショーを行うイベントが開催され、私もそのイベントに参加させていただく機会がありました。その時に初めてお客さんにイルカショーを見てもらう経験をしたんです。普段私自身が感じている動物の魅力をお客さんに伝えられたらいいなと思っていたので、お客さんと接することができたこの機会はとても良い経験となりました。現在ではお客さんと接する機会が多くあるので、日々充実しています。イルカも人間と同じように一頭一頭の性格が違い、目にも一重と二重があることなどをお客さんに伝えたときに、私達と同じようなことがイルカ達にもあり、もっとイルカを身近に感じてもらえ、興味を持ってもらうことができると、「動物の魅力をお客さんに伝えられることはとても幸せだな」と感じています。

ー仕事をするうえで一番大切にしていること

 

動物とのコミュニケーションはもちろんですが、チーム内のコミュニケーションもとても大切です。例えば、イルカ4頭に対して一度にごはんをあげることがあり、それはなかなか自分一人ですることは難しいため、みんなで息を合わせてコミュニケーションをとりながら行います。また、スケジュールも細かく、必要な時にミーティングを開催するなどしてコミュニケーションをとりながら行動することがすごく大切です。レギュラーのスケジュールとは別にイレギュラーの予定も入ることがあるので、その際にみんなと協力しながら仕事をすることが大切なので、頻繁にコミュニケーションをとることを意識しながら働いています。

 

ー池光さんの「これから」

 

あまりデータがない動物の妊娠・出産時のデータを集約したり、体温など動物の状態の様々なデータをとったり、動物の健康管理に貢献できることがしたいです。例えば、当館で飼育している「ミナミアメリカオットセイ」は国内での飼育頭数や繁殖例も少なく、京都水族館でオットセイの繁殖を継続的に行うことができればと考えています。また動物たちが生き生きと暮らせるよう、個体ごとに健康に関するデータなどを集め、形に残したいです。

 

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